長く大切に使われる力織機

 30年以上もうずっと使い続けているという力織機は、調子が悪くなると、小國さんご自身で修理します。このような複雑な機械を自分で修理するなんてと驚きましたが、大抵の不調は直せるそうです。メンテナンスをしながら大切に使われ、力織機はまだまだ現役でこれからも綺麗な帯を織ってくれます。

 作業場には3台の力織機があり、端には力織機ではない絶えずくるくると回る機械がありました。これは糸繰機で、スガとよばれる糸の塊をクダで巻き取り、力織機にセットできる仕様に変えます。西陣織はさまざまな種類の糸を使うとのことなので、糸の管理も難しそうだと感じました。

右の写真のような、スガの状態で納品されます。

機織りの伝統を守っている存在

 機織りの全盛期は昭和50年頃で、地域中の人が機織りをして、生計を立てていました。
 その頃は織物の需要が高く「夢のある仕事だった」と小國さん。バブルもバブル崩壊も経験し、上昇も下降もしたけど、好きで楽しいからこそ続けてこられたと笑顔で話されました。

 今は結婚式でもドレスを着ることが主流となり、着物を着る機会は以前より減ってしまいました。また若者が少ないので、着物の需要は減る一方です。しかし、それだからこそ成人式などで、着物を着た晴れ姿を見るととても嬉しい気持ちになるそう。
 機織りをされている方は少なくなってしまいましたが、これからも元気に奥様と伝統的な物づくりを守り続けてほしいと思いました。

 小國さん、お話ありがとうございました。

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 久美浜町には8つの地区があり、それぞれの事務所として〇〇センターがあります。佐濃地区は久美浜町の中でも特に多くの方が機織りをされていたそうで、事務所の名前は「機業センター」という名称です。

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