つづきです。

奥田さんのこまやかなサービス

 奥田さんは送迎車の運転、利用者さんの乗降のサポート、お店では買い物を見守り、購入品を車や自宅まで運び、利用者さんに寄り添ったサービスをされます。利用者さんのことをよくご存じで、その人に合った一歩先のサポートをされているので、利用者さんが戸惑うことがありません。
 利用者さんにサービスについて伺うと、週1~2回利用されているようです。家まで荷物を運んでくれるから助かっている、車に乗ることができなくなったから買い物に連れてきてくれて嬉しいと笑顔で話されました。

利用者さんと奥田さん

 行き帰りの車内では奥田さんと利用者さんたちの明るい話し声で賑わっていました。楽しくお話していると、移動時間もあっという間に終わってしまいます。皆さん車が停まると、「またね」「元気でね」と声を掛け合い、車が走り出すと笑顔で手を振り合っておられました。そんな皆さんの姿にほっこりしました。
 奥田さんは、今年の大雪の日も休むことなく利用者さんを迎えに行ったそうです。自分が行かないと利用者さんが買い物できないから困ると。奥田さんは商売人やからと言われますが、サービスを取り組む責任感と利用者さんへの思いやりや優しさを感じました。また利用者さんはサポートしてくれる奥田さんに「ありがとう、ありがとう」と感謝を伝えられていました。

この取り組みはコミュニケーションの場

 買い物支援サービスを体験し感じたことは、この取り組みによって高齢者が自身で買い物できること、高齢者同士のコミュニケーションがとれる機会となっていることです。「家のこたつでじっとしとるで、おやつがすぐなくなっちまうんだ~」と話す利用者さんもいたので、外出する良い機会となっていると思います。またこの支援サービスを通して出来上がったコミュニティで過ごす時間は、利用者さんにとって暮らしの楽しみとなっているでしょう。利用者数は以前より減ってしまったとのことですが、これからもこの素敵な取り組みが元気に続くよう応援しています。

 奥田さん、ジョイクックの皆さん、お世話になりました。ありがとうございました。

―ジョイクックおくだ―
昭和35年創業。前身の奥田商店から平成16年に「ジョイクックおくだ」として現在の場所に移転しリニューアルオープン。地域密着型スーパーとして地元民に愛されている。以前は町内に「おくだ号」という移動販売車を走らせていた。平成26年に車が古くなったことで一旦は廃業するも、その後10人乗りの送迎車で買い物客を迎えに行くというサービスを始めた。