初めての味噌作り体験

 「辻べえ」で味噌作り体験をしました。「辻べえ」の辻村さんは佐野甲で冬期に麹作りをされており、民泊も受け入れておられます。もともと辻村さんのお父様とお母様が代々麹作りや味噌作りをされていたので、麹や味噌を作る技術と機械などの環境が整っており、地域の方々が味噌作りに訪れるそうです。地域の方々はやわらかく煮た大豆を「辻べえ」に持っていき、麹を混ぜる工程からされますが、私は大豆を煮る工程から教えていただきました。

大豆を水に浸けます

 大豆は2キロを用意し、軽く洗って、3日前(通常は2晩)から大きな鍋で浸水させておきました。大豆は水をよく吸うので、毎日状態を確認し、常に水が大豆にかぶるよう新たに水を加えます。膨れた大豆は5キロほどに。

昔ながらのかまどで

 膨れた大豆を「辻べえ」まで歩いて運び、昔ながらの鉄窯に移し、かまどに火をつけます。普段使うことがないかまどで鉄窯を加熱する作業が新鮮で、薪が燃える香りも良く、ずっとかまどの前にいられると思いました。燃える火はずっと眺めていられるし、辻村さんとの会話も楽しみながら、大豆が煮えるのを見守りました。

オリーブオイルを使うことも

 沸騰してくると、灰汁が出てきますが、辻村さんのやり方では灰汁にも旨味があるのであえて取らないそう。ブクブクと煮汁が吹きこぼれそうになるところに、差し水をします。それを繰り返しながら、煮汁がほぼなくなるまで煮続けます。辻村さん宅の味噌作りは、今でも90歳代のお母様がかまどで大豆を煮ます。吹きこぼれそうになったら、オリーブオイルを回しかけて、膜を作って吹きこぼれないようにすることもあるそうです。興味深いです。

 

 大豆は小指と親指で潰れるくらいまでやわらかくします。終わったのは大豆を火にかけてから、2時間後でした。煮た大豆を食べてみると、あまくておいしい!何もつけなくてもおいしい!と感動しました。その後、鉄窯ごと毛布に包み一晩置きます。これをすることで大豆がふっくらとするそうです。味噌作りで一番重要といわれる大豆を煮る工程が無事に終わりました。この続きはまた今度。